2012年9月1日土曜日

映画祭の翻訳の話 3:初めての‘ノマドワーク’

字幕制作は初めてで、しかも2本同時に進行し、
片方ではリーダー役を頼まれ、SSTはまだ届かない。
さらに、作業期間の盆休みは、5日間夫の実家に帰省する予定があった。

今年の正月は帰っていない。
「盆は帰ります」と、新幹線のチケットをとっていた。

盆休みに入る前に、会社を2日休んで
なんとか初稿を仕上げる目処は立てた。
でも、帰省しても、2稿の提出と互いのチェックがあるので
結局ずっと字幕とにらめっこしなくてはならない。

私は「帰らない」と言ったが、夫は「家でやればいい」と言い
議論は平行線。

夫の実家で、嫁は何もせず、ずっとパソコンなんてどうかと思う。
でも、たった年に2回の帰省だ。私だけ帰らないのは、確かに感じが悪い。

私は東京に残り、独り家で仕事していようかと前日まで悩んだ。
結局、ノートPCをぷちぷちで包み、新幹線に乗った。

墓参りをしたり、美術館に行ったりもした。
でも何だか落ち着かなかった。
キッチンで作業し、実家の会社でプリンターやLANを借りて、
何とか第2稿提出とレビューは乗り切った。
移動の新幹線や飛行機では、原稿の赤入れをした。

翻訳は、作業によっては場所を選ばない。
「ノマド」とか言って、カフェで仕事する人が、かっこいいような風潮があるけれど
仕事するなら、私はやっぱり、自宅の自分の椅子がいいかな。


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