8月に映画の字幕制作の打診があった。
当時まだ日本では未公開の映画で、
飛行機の機内上映用のものだった。
やりたくて仕方がない案件だったが
後ろ髪ひかれる思いで断った。
難民映画祭の字幕制作(ボランティア)の真っ只中だったのだ。
これを落とすわけにはいかない。
それに、作業期間は盆休みだったので、夫の実家に帰省している。
映画祭をこなすのが精一杯。
短納期の案件を集中的にできる環境ではなかった。
新人は、たまのチャンスを逃すべきではない。
折角、仕事を振ってくれたのだ。
しかし、掛け持ちだろうが、何だろうが
勢いで仕事を受けて、先方に迷惑をかけたら
「次」はない。
二兎を追う者は一兎をも得ず――。
そんな思いが頭の中をぐるぐる回った。
また、仕事が巡ってくるとしたら数か月後かな。
予想どおり何もなく10月になった。
このまま年末まで暇なんだろうか。
あの時、断ったの、やっぱりまずかったかなと思っていた矢先のこと。
再び機内上映用の映画字幕制作の依頼が来た。
今度こそは「やります!」と引き受けた。二度目の仕事だった。
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