菅官房長官が、「違和感」という言葉で
ぼんやりと意見することについて
東京新聞の記事を読んだ。
官房長官は伝えるのが仕事である。
正しい日本語で明確な声明を発表してほしい。
「違和感があります」
翻訳の制作チームで互いの訳をチェックしあう場合、
見かける言葉である。
本当は、その言葉だけで、
「ああ、そうか、こういう表現の方がいいな」と
はっと別の案が思い浮かぶべきなのだろう。
でも、当の本人は正しいと思って書いているのだから
何がつながっていないのか
何が足りないのかが見えないことがある。
少なくとも私はそうだ。
翻訳者は制作者側に立っている。
違和感があるのなら、その理由を明確に
そしてコンパクトに言い表せなければならない。
ボールを投げている方向が違うのなら、
そっちじゃない、という言うだけではなく、
ストライクゾーンは、このあたりだと示したいものだ。
私は伝える側にいたい。
修正すべき理由や代案の方向性を言葉にできないのなら
制作者側ではなく、単なる視聴者としての感想に過ぎない。
だから、自分が他人の成果物に意見する場合は、
「違和感があります」とだけのコメントを残すのは避けるようにしている。
「違う」と突き返すだけなら簡単だ。
でも、うまく表現ができず「違和感」で逃げてしまうこともある。
そんな時、制作者になりきれない自分をもどかしく思う。
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