2013年7月14日日曜日

自分だけの方法

今、活躍している方々が「どうやって翻訳者になったのか?」あるいは
「どうやって最初の仕事を受注したのか」は、翻訳者を目指す人にとっては、
気になるところだ。
雑誌やらウェブのインタビュー記事でよく見かける。

私は、この類の記事にあまり共感したことがない。
雲の上にある、手の届かない世界のように思えてしまう。

経歴が超エリート、とか
理系の難しい専門分野を持っている、とか
コンクールで1位になって仕事をもらった、とか。

おまけに、そんなできる人が、
 「私なんて、勉強不足です」などと、謙遜でしめる。

ああ、あなたのような方が「まだまだ」なら
私のことは一体どう表現したらよいのだろうか。
翻訳を仕事にするなんて、一生無理なのではないかと悲観してしまう。

かといって、「全然勉強なんてしていなくて、偶然そうなってしまった」という記事も
身近に感じられない。

例えば、配給会社に翻訳がしたいと電話したら、
明日から来いと言われて、
たまたま有名な翻訳家の元、アルバイトで働くことになったとか、
映画の配給会社に入社したら、たまたま字幕制作室付きになったとか。

第一線で活躍する人が駆け出しだったころと
今では環境が違いすぎる。
他人のケースは、あくまでも単なる「参考」でしかない。

私は、雑誌の記事なるような、きらびやかな要素を持ち合わせていない。
でも、きっとどこかに、自分だけの(おそらく地味な)方法があるはずだと
信じている。

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