職場でのこと。
ある日、はす向かいにいるアメリカ人が、こうつぶやいた。
“Crap!”
PCの作業中に何かがあったらしかった。
その時ふと、去年悩まされた字幕のことを思い出した。
私が担当した個所に、まさにその
"Crap!"というセリフがあった。
女「あなたのお父さんってどんな人?」
男(携帯電話見ながら)「Crap! (間)姉さんは遅れるって」
Crapは、まあ、その、「うんこ」である。
「何だよ、チクショー!」的な感嘆詞。
制限文字数は3文字。
話者は、若い男性である。
かわいい弟の雰囲気と
その口調からも、「クソ」では、強すぎて浮いてしまう。
私は、捨て台詞のつもりで
「何だよ」
とした。
しかし、映像にのせると、前からの流れで、
話しかける女に対して、「何だよ」と答えているようで、
独り言に見えない。
「何だって?」としてみても、相手の質問を聞き返しているよう。
携帯電話に届いたメールを読んで
独り言をつぶやいているセリフにしなくてはいけない。
前の字幕に引きずられて誤解を招かないようにするのは難しい。
いっそ、思い切って、
「ウソだろ?」ともしてみたが、差し戻された。
チームメンバーの方が助け船を出してくださり
「マジかよ」に落ち着いた。
職場のアメリカ人がつぶやいた「Crap!」を
頭の中で巻き戻して
「マジかよ」と吹き替えてみる。 最後の最後まで、悩まされたセリフだったなあ。
うんこ、ごときに!
クソー!
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