2013年1月27日日曜日

「ピノキオの冒険」

翻訳の学校で教わった、リサーチの心得は、
「源泉あるいは、上流にある情報を参照すべし」であった。

映画のタイトルや出演者の表記を確認したいのなら
どこかの情報サイトではなく、公式サイトを参照しなさい、ということだ。

ピノキオは、いろんな人が書いていて、原作の話がアレンジされているものが多い。
ある本では、サメだったものが、別の本ではクジラになっていたり、
キャラクターが死ぬタイミングが違ったりする。

有名な話だからこそ、出発点である原作を読んでみた。

西村書店の『ピノキオの冒険』。挿絵と翻訳が素晴らしかった。

「金原瑞人訳」って書いてあると安心する

カルロ・コルローディ原作 
ロベルト・インノチェンティ絵 
金原瑞人訳


















広角で捉えるダイナミックな構図

曇り空を思わせるような、くすんだ色のトーンで綿密に描かれている。
ピノキオに危機が迫ったり、怖いシーンの雰囲気にぴったり。

何だかコワイ雰囲気なのは、下から見上げる構図だからかな
ピノキオ、悪いヤツらに襲われ、寒々しい森でシメられる

青い髪の妖精。この髪の色、ヲタクアニメの原点か

枠から、ちょこっとはみ出る絵は、臨場感が出る。
そういえば、手塚治虫は、時々コマからはみ出すように描いている。

しっかりした大型本で、インノチェンティの絵が映える。


2013年2月新装版として増刷となっている。


0 件のコメント: