翻訳会社の書類審査が通り、
一次試験を受けに来たら、
みんな普段着?!の続き。
トビラが開く。
男性と目が合う。
黒いシャツに黒いパンツ。
ドスのきいた視線に恰幅のよさ。
一瞬で社長だと思った。
「こんにちは!」と私は言うと、
こんにちはと感じよく返してくださった。
あ・いいひとだなと思った。
部屋に通され、PCの前に座る。
早速トライアル課題の指示がある。
ファイルを開けると、ディズニーのドキュメンタリーフィルムのベタ訳。
ナレーションは、格調高い雰囲気で、いささか大人向け、
アニメーションは子どもでもわかるように、
そして、歌の歌詞は生き生きと、リズムよく訳さなくてはならない。
アニメーション部分は、不思議の国のアリスだった。
難しかった。
自分の出来の悪さを痛感する。
でも、楽しい。
物語を訳すのってこんなに楽しかったっけ。
忘れていた。
私がやりたいことって、こういうことだったのに
何していたんだろう。
悔やまれて、泣きそうになった。
その後、アンケート用紙のようなものを渡される。
好きな映画とその理由、
人と変わった趣味、など100字程度で書いた。
家族について書く欄では、父について書いた。
別に仲が悪いわけじゃないが、あまり話をしたことがない。
父は自分のことをすすんで話す方ではなく
私に干渉することもない。
お互い照れくさいのか、人生の話などしたことはなかった。
しかし、私が東京に来てから、メールをするようになり
距離は離れたが、本当の距離は以前より近くなった気がする。
そういうようなことを書いているうちに、
すでに涙腺がゆるんだ私は泣けてきてしまった。
涙をおさえながら、他の項目も書き上げた。
変な人だと思われたかな。
つづく
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