2013年4月22日月曜日

右か左か

私は、方向音痴である。
絶対に右である、と感じる場合、
左に進むとあっていることが多い。

自分が直感的に正しいと思っている方向の逆に向けて、
「違う気がするのに」と思いながら、進むのだから
葛藤はある。最初の一歩を振り出すのは勇気がいるものだ。

行きたいところに、着いたとき、
「ああ、自分を信じてはいけない、と信じた自分は正しかった!」
と、自信がつくような、悲しいような、よくわからないことになる。

方向感覚においては、自分の弱点を意識している。
翻訳については、どうだろう。

先日、自分の弱点についての話を伺い、考えさせられた。

翻訳者は、必ず次の2つのタイプに分かれるのだという。

原文に忠実であるが、情報を盛り過ぎて、日本語としてぎこちなくて読みづらいタイプと
するすると読みやすいが、原文の情報を落としすぎたり、原文から逸脱したりしがちなタイプ。

両者に優劣はない。
どちらかに偏っている限り、どちらもイマイチになってしまう。
そこで、自分がどちらに寄るタイプかを知り、
弱いところを意識することが重要だという話だった。

忠実派は、もともと細かいから、流れを重視しても
情報を落としすぎたり、脱線しすぎることはないので、
思い切って流れを見よう。

流れ派は、読みやすく整ええるのは上手いので、
細かいところを見落としていないか、原文に寄り添うことを
意識しよう。

どちらも、自分と逆の要素を意識することで、
ちょうど良い具合になるものだ、と。

自分の何が弱点かって、全部弱いので、あまり考えたことはなかった。
結局、「原文も、流れも、言葉選びも、何もかも!」と欲張りすぎて、
右にも左にも行けず、立ち往生。
中庸におさまるどころか、ただの中途半端になるのがオチであった。

「原文」と「流れ」の2つに絞った、シンプルな考え方なら、
右か左かどちらかに、踏み出せそう。
なるほど!と思った。

次の翻訳の時に、意識してみよう。

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