主語と述語がきっちり結ばれていない文を書いてしまう。
名詞に埋もれている意味上の主語を掘り出してしまって、
文全体の主語と衝突したり、文字数を合わせようとして
こねくり回しておかしくなったりするのだ。
何だって、私はこんな文を書いてしまうのだろうか。
推敲時に気づけばよいのだが、
そもそもこんな不完全な文は、最初から撲滅したい。
丸谷才一著「思考のレッスン」にとても参考になる箇所があった。
書き方のコツとして、彼は、こう書いている。
頭の中で文の最初から最後までを作りなさい。
一文ができたら、それを記述しなさい。
“親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている、マル”
と浮かんだら、それを書き始める。
とてもシンプルな考えだ。
思い起こせば、私は全く守っていなかった。
思い浮かんだ端から、タイプする。
言葉が消えるのが怖いのだ。
浮かんだ順に、一気に書き上げればよいのだが、
私の場合は、途中で「ええっと」と手を止めてしまう。
それがいけないのかもしれない。
初稿の精度を上げるために、このルールを意識してみよう。
文が完成するまえに消えてしまうのなら、
それまでの言葉だったということだ。
しっかり、火が通ってから、
皿に盛ろう。
余熱には限界がある。
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