漫画『闇金ウシジマくん』が面白い。
堕落していく様、ダメな人間の心理描写がたまらない。
そこに世の中の闇を描いた社会派の漫画である。
コマに乾いた空気が漂い、セリフのない、何でもない描写で物語る。
ただし、暴力、ヤクザ、ドラッグ、及び美しくない性的描写に抵抗のある
紳士、淑女の皆様には、あまりお勧めできるものではない。
10巻-11巻あたりの「サラリーマンくん」のエピソードがよかった。
疲れた主人公が会社の屋上からフェンス越しに東京タワーを
携帯電話でパシリと撮る画から、静かに始まる。
フェンス越しに描かれる主人公の画がまるで、
行き場のなさやスパイラル的なものを感じさせるし、
囚われているかのようにも見える。
のちに、主人公が昔、カメラをやっていたことがさらりと描かれる。
それが今や携帯電話。
読み進めていくと、扉のシーンの悲しさが
じわりと歩み寄ってくる。
漫画全体を一様に悪くいう人がたまにいる。
しかし、小説がすべて芸術的と言えまい。
漫画はメディアであって、ジャンルではないのだから。
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