2014年2月21日金曜日

早い者勝ち


学校付属のエージェントからは、
ぽつぽつと翻訳の依頼が来る。

ある金曜の夜11時近くに字幕翻訳の打診が来ていた。
でも、その日は疲れて早くに寝てしまったので
メールに気づいたのは土曜日の朝9時頃。

参加しますと返信したが、すでに人数が集まったとのことで
チームに加わることができなかった。

久しぶりに来た字幕の仕事で、
単価は今までで一番高い。
しかも、やってみたい内容の素材だった。

メールの受信箱の確認もせず
たまたま早寝してしまったために、
逃してしまい悔しい思いをした。

また、ある時は帰宅中にメールを受信していたが
夕食後、片づけが終わってから気がついた。
返信をしたが、すでに定員に達したとのことだった。

家について、ご飯を作り始める前にメールをチェックしていれば…
あの時、電車で本を読んでいなければ…

みんな、返信早いなあ。

以来、iPhoneがブルブル鳴ると慌てて確認するのだが、
そんな時に限って、
プロバイダからの「引越しのご連絡はお早めに」という案内メールで、
「なーんだ」とがっかりしてしまう。

この「なーんだ」に慣れてしまわないようにしたい。
仕事の依頼が頻繁に来ればよいのだが…

2014年2月2日日曜日

おすすめヘッドフォン

映像翻訳者は耳が大切である。
ヘッドホンは耳に悪いと聞く。
だから私はこれまで、ほとんど使ってこなかった。
その代り、外付けのスピーカーを買い、PCに繋ぎ
音を増幅させている。

やっぱりいるのかなあ、とぼんやりしているところへ
制作会社で字幕のチェックをすることになり、
重い腰を上げて買うことにした。

どんなのを買えばいいの?

どうも耳を覆うタイプがよいらしい。
耳たぶは、音を集める役割をしているので
すっぽりかぶさるものがよいらしい。

さらに、3つのタイプがあるらしい。
開放型と密閉型、その中間のタイプ。
職場用なので、音が漏れない密閉型かな。

値段は天井知らず。音質にはこだわらない。
音の始まりが分かればよいのだから。
私は貧乏なので、出しても1万円くらいで手を打ちたい。

ずっと頭にのせているので、重いと疲れる。

密閉型 X 耳すっぽり X 1万円くらいまで X 軽い で探すことにした。

商品レビューを読んでも、オーディオに詳しくないので、表現がよく分からなかった。

「高音がキラキラ!」← よいことなの?
「シャリ感が気になります」← 悪いことなの?
「このヘッドホンはドンシャリです」← どっちかな?

映像翻訳者の中には、ブログを書いている人もいるのだが
ヘッドホンの機種に関する投稿が見当たらない。

みんな、あまりこだわっていないのかな?
何を使っているの?

そこで、テープ起こしをしている人のブログを検索した。
彼らは人の声を拾っているのだから、一番用途が近い。

検索すると、ソニーのMDR-CD900STという機種が好評だった。
スタジオモニター用というものらしい。

ヘッドホンには、映画や音楽を聴くために音を強調させるタイプと
スタジオで音をチェックするために、音を拾うタイプがある。
スタジオモニターとは、後者の業務用ヘッドホンを指す。

店に行くと、ソニーはMDR-CD900STの他に、
MDR-7506というモデルがあった。

着け心地はどちらもよいが
持ち運びを考え、折り畳みができる7506を買った。
12000円くらい。 

家に帰って、映画を1本観たが、
耳も頭も疲れず、快適である。

音は籠らずクリアに聞こえる。
夏は暑いんだろうな…

2014年1月30日木曜日

嫌いをなくす

映像翻訳者を志望する人は、
映画やドラマが好きな人が多い。
「好きだから」、字幕翻訳の仕事がしたい。

「好きだから」、頑張れる。
でも、「ただ好きなだけじゃダメ」。

ここで言う「ただ好き」な状態って、一体何だろう。 

「自分の好みの映画/ドラマを見るのが好き」かなと思う。

もちろん、好きを追求したり、専門を持つのは大事。
でも、制作会社で字幕のチェックと制作進行管理をしていて、
日々思うのは、アレルギーをなくすことも
また重要だということ。
 

売れっ子のフリーランスなら選り好みして
断ることもできるかもしれないが、
仕事となれば、作品は選べないのだから。

新年最初の仕事は
血生臭い映画のスポッティングだった。

レンタル版ではカットされた残虐な描写が
セル版用に挿入されたので
再度スポッティングをすることになった。

レンタル版でも、血みどろなのに、
首が飛んだり、頭が二つに割れたり、
腹にぐさっと刃物を刺すと、ぱっくり割れて、
にょろっと内臓が出るような
グロテクスなシーンが追加されて、
セル版はさらにパワーアップ。


絶対、観たいと思わないし、
人にも勧めにくい映画である。


できれば凝視したくないシーンを
フレームのコマ送りで
字幕を出すタイミングを調整する。
ぐちょっという血の音が、
セリフのIN点を隠すかのようになっていると、
何度もスローで再生して、音を探す。
勘弁してくれ、と思った。
お昼ごはんは、食べた気がしなかった。


ふと、先人たちの「ただ好きなだけじゃダメ」って

こういうことを言ってたのかなと思った。

好き嫌いを言わないこと。
趣味と仕事の境目は、そこにあるのだろう。

2013年12月29日日曜日

制作会社の理想と現実

私は学校やその付属のエージェントの基準しか知らない。
制作会社で字幕原稿をチェックする際、戸惑うことがあった。

中でも一番びっくりしたのは、
「誤字脱字以外はチェックしなくてよい」と
引き継ぎの際、言われたことである。

翻訳者にチェックバックを送ろうとまとめたコメントで
二通りに読める字幕や
つながりが分かりにくい個所、
日本語の造語の不自然さを指摘しても、
「まあ、意味が分かればOK」と前任者にカットされた。
「それに、考えれば分かる」と言う。

考えさせるような字幕は最低である。
一瞬思考が止まれば、読み切れないし
次の字幕も飛んでしまう。

「翻訳者に嫌われたくない」
前任者の理由はこれだった。

細かい指摘をすると嫌がられるかもしれない。
高いレートでもないのに短納期でやってもらっている。逃げられたら困る。
また、細かいところまでつめていく時間がないといったものだった。

自分の間違いや足りなかった部分を指摘されたからといって
会社を「嫌う」翻訳者がどこにいるだろう。
そんな人はプロとして、個人事業主としてやっていけるわけがない。

翻訳者の意図は大切にしたい。
そこを塗り替えようとは思わない。
翻訳者は、その作品を一番理解している人なのだから。
チェックする基準は、その字幕で意図が伝わるか否かだと思っている。

前任者が辞め、チェックのチェックをされることもなり
ここは直した方がいいと思う個所は心おきなく指摘している。
大先輩に向かって物申すのは生意気かもしれないが、
原稿がすべてであり、そこに上も下もない。
制作会社が翻訳者に対して弱腰になり、
やっつけ仕事でDVDが製品化され、
店頭に並ぶなんて納得できない。

良い作品にしたいという思いは、翻訳者もディレクターも同じ。
意見を対等に言い合えて、気持ちよく仕事ができる関係を目指したい。

2013年12月28日土曜日

新しい仕事

転職をした。

社員4人の小さな会社。
外国映画の日本語字幕を制作をしている。
劇場公開作品もあるが、ほとんどはDVD用の映画である。

まだ2か月目なので、今後どうなるのか分からないが、
月約4~5本映画の翻訳依頼が来るらしい。
登録している翻訳者は10人にも満たない。

私の名刺の肩書きは「ディレクター」である。
特に権限があるわけではない。
コーディネーター兼チェッカーと言えば分かりやすいと思う。
クライアントから字幕制作の依頼が来ると
翻訳者に発注し、仕上がった原稿をチェックし
修正があれば翻訳者に戻して
最終稿をクライアントへ納品する。

翻訳をすることはないけれど
映像翻訳の現場で働ける仕事に就けて
よかったなと思っている。