2013年8月29日木曜日

9月からスタート?

9月ごろから、翻訳をお願いしたいと、メールが来た。

データ送信後、3週間連絡がなかったので
絶対落ちたのだと思っていた。

私が提示したレートを、
もうちょっと安くしてほしいと言っている。

1ワードいくらが妥当なのか、よく分からないけれど、
映画祭の仕事の報酬をワードに換算してみた。

その金額が先方の予算に合っていたのだろうか?
先方のリアクションが無いまま1か月以上が過ぎている。

もうすぐ9月だけど、どうなるのかな?
まあ、クラウドソーシングって結構いい加減っぽいから
このまま立ち消えになるかもしれない。
今度は、映像を送ってくれるとよいのだけれど。

2013年8月27日火曜日

裏の意味


職場で支給されている携帯電話の交換が行われた。
私の向かいにいるRayさん(カナダ人・男性)のところに
ITの担当者がやってきた。

Rayさんの携帯電話はOSのアップデート時に
不具合があり、写真のバックアップが取れないのだと言う。

Rayさんは、大丈夫、プライベートPCと同期済みだ、と言った。

"I backed up. OK."

Rayさんの隣の席のRickさん(アメリカ人・男性)が

"I don't wanna hear that from you."

と、言って彼らは笑った。
私の隣の席のHarryさん(カナダ人・男性)も笑った。

私は、一体何がおかしいのかさっぱり分からなかったので
特に気にも留めず、仕事をしていた。

Harryさんは日本語が上手。
にたにたして、話しかけてきた。

Riさん、今、どうして笑ったか、わかる?」
「え、わかりません」
「面白い意味ネー。ハハハ」

はあ?!教えてよ!

私は、Rayさんに聞いた。
"What was that?"
"Umm… It's not appropriate to say it here..."
彼は、照れくさそうな顔で言葉を濁した。

下ネタか、おい。

辞書を引いた。
"back up"と辞書ソフトのパソラマで打ってみると
名詞が出てきた。

「成句検索」をクリックする前に、
見出しの下の方の俗語の意味が目に飛び込んできて、
手が止まった。

báckùp
―n.
8 ⦅米俗〓⦆ 数人の男が1人の女と次々にする性交,「回し」(gang bang).
『ランダムハウス英和大辞典』(第2版) 小学館

うそ!ま、まさか、これ?
どこが「面白い意味」なん?
卑猥すぎて、これはさすがにドン引きだわ。

後援、予備、代替物、から転じて、それかい。
英語って、どこからでも下ネタ持ってくるなあ。

Rickさんは上品で紳士的な人である。
Rayさんはさわやかな好青年である。

あの2人が本当にこの意味で笑ったのだろうか?
信じがたかった。だから余計に気になってきた。
Rayさんに本当の意味を聞いてみたいけど、
変態だと思われるかな?
私は数日もやもやしていた。

ふと、「成句検索」を押さなかったことを思い出した。
backの動詞の意味を調べていなかったのだ。



back up
(5)⦅米俗⦆ 麻薬を注射する.
『ランダムハウス英和大辞典』(第2版) 小学館

「あれって、あの意味?」と聞かなくて良かった。

辞書は、ちゃんと引こう。

2013年8月23日金曜日

原音が聞き取れない時に便利なアプリ


台本とセリフが違う時、自分の耳が頼りだ。
文脈から想像したり、文法的なアプローチで英文を起こすこともある。

それでも、どうしてもわからない時がある。
知らない単語は聞こえない。

そんな時に便利なアプリがある。


Dragon Dictation

10か国語以上に対応し、音声を認識して、テキストにしてくれるiPhone/iPad対応の無料アプリ。
精度は高いと思う。
聞こえたとおりの英語を声に出してみると
「そうそう、これこれ!」というテキストを書いてくれる。

Naunce社が開発している、このDragonシリーズは、BMWでも採用されている。
音声認識の技術はどんどん進化しているんだなあと思う。


今回の映画祭の中で、話者が何かを言いかけるが、
相手に遮られるシーンがあった。
何を言おうとしていたのかは、台本には書かれていない。
でも、1秒ほど原音が聞こえるし、意味がある言葉を話しているので
4文字程度の字幕を書く必要がある。

そのセリフは、話を聞いてほしくて、前のめりになっているけれど、
言葉が上手く出てこないうちに、相手に「わかった、わかった」と
遮られる言葉だった。
文になっている必要はなくて、何かを言いかけている雰囲気が出れば、何でもよさそう。

2人が話していたのは、フランス語だった。
でも、私はフランス語が、まったく分からない。

最初は前後のつながりから何の根拠もなく
「どうしたら…」「どうすれば…」「どこに…」などとした。

しかし、原音は、HowにあたるCommentの音
WhatWhichにあたるQue などQの音とも違う。

「イリヤーイリャイリャー」のように聞こえる。

そこで、方向性のヒントが欲しくて、このDragon Dictationを使った。
アプリの言語をフランス語に設定し、私のインチキフランス語を聞かせてみた。

そして、テキストになったフランス語を、グーグルで翻訳すると
there are nothing like のような英語になった。
数回やってみたが、nothingが必ず入ってくるので、
その要素だけ字幕に反映することにした。

ディレクターに問い合わせをするまでもないんだけど…という時には便利かなと思う。

2013年8月21日水曜日

繰り返し

難民映画祭の日本語字幕制作をした。

素材を受け取ると、絶望的な気持ちになった。
こんなの訳せるのか?と思った。

トライアルなり、これまでの映画祭なり、
初見では毎度同じような気分になる。

おまけに、分量が予想していたよりも多かった。
10分くらいかなと思っていたら
25分を担当することに。
これだけの尺を担当のは初めてだ。

どうしよう、どうしよう、と思いながら、
本を読んで、辞書を引いて、何度も映像を見た。
何とか第1稿の完成までたどり着くと
できるかも、少し落ち着いてくる。
本当は、そこからが時間がかかるのだが。

赤鉛筆を片手に、ベッドにごろんと
だらしなく寝転んで原稿とにらめっこしていると、
第1稿なんて跡形もなくなってしまう。

修正し、映像に合わせて見て、気になったところをチェック。
データを出力して、赤入れ。
それをひたすら繰り返す。
時間はどんどん過ぎていく。


チームの方と摺合せを経て、納品した。
ディレクターからのレビューを待つ。
気付けば夏休みは残り2日になっていた。

最初は、弱気にだったけれど、
形が見えてくると、来年も暇だったらやろうかな、などと思う。